ホワイトチョコレートは、いちごや抹茶などの様々な風味で楽しめるため、バレンタインデーなどの特別な機会に手作りの生チョコとして人気があります。
しかし、通常のチョコレートと比べて扱いがデリケートで、加熱方法を間違えると分離したり、溶けにくくなったりすることがあります。
この記事では、ホワイトチョコレートが分離する原因と、その対処法についてお伝えします。
ホワイトチョコレートが分離する主な理由
ホワイトチョコレートは主に、ココアバター、砂糖、乳成分で構成されています。
ちなみに、通常のチョコレートには、さらに茶色のカカオマスが含まれています。
ホワイトチョコレートが分離する原因は、主に次のようなものです。
温度が高い
ホワイトチョコレートは通常のチョコレートよりも溶けにくく、溶ける温度も低めです。
しかし、温度が50℃を超えると分離しやすくなります。
そのため、正確な温度管理が重要です。
ホワイトチョコレートを溶かす際は、沸騰したお湯を直接使うと温度が高すぎるため、50~60℃の湯せんでゆっくりと溶かすのが最適です。
この際、かき混ぜる動作は控えめにし、チョコレートがゆっくり溶けるのを待つことが大切です。
また、水分がチョコレートに入らないように注意が必要です。
レシピによっては、バターと一緒にチョコレートを溶かすこともありますが、湯せんを利用して均一に加熱することがポイントです。
電子レンジを使用すると、バターが先に溶け出してしまい、加熱が不均一になることがあるため注意が必要です。
クリームの量が多い
生チョコを作る際には、クリームの量と温度が重要です。
一般的な生チョコのレシピでは、チョコレートとクリームの比率は2:1とされていますが、ホワイトチョコレートを使用する場合は、分離を防ぐために3:1の比率が推奨されます。
クリームの量が多すぎると、水分や油分が過剰になり、ホワイトチョコレートが分離してしまう可能性が高まります。
また、クリームとチョコレートの温度に差があると混ざり合わずに分離することがあります。
クリームは約50℃まで湯煎で温め、その後人肌程度まで冷ましてから、細かく刻んだホワイトチョコレートを加えます。
チョコレートが自然に溶け出すのを1〜2分待ち、温度を均一にしてからゆっくりと混ぜ合わせるのが理想的です。
水が入った
湯せんを行う際、ボウルに水が入ったり、器具に水滴が付着していたりすると、チョコレートに水分が混入し、最終的にチョコレートが固まってボソボソとした食感になります。
チョコレートに含まれる油脂と水分が反発し合い、砂糖が吸収すると、砂糖の粘度が上がり硬くモロモロの塊になってしまいます。
湯せんの際には、鍋の直径よりも大きなボウルを使うことをお勧めします。
お湯はボウルの底がちょうど触れる程度に加えると、湯気を含めて水分が混入するのを防ぐことができます。
ホワイトチョコレートが分離したときの修復方法
ホワイトチョコレートが分離してしまった場合の対応方法を、原因別に詳しく解説します。
高温で溶かした場合の対処法
分離したホワイトチョコレートは、湯せんを利用して再度加熱し、適宜冷却しながらゆっくりとかき混ぜることで元の状態に戻すことが可能です。
油分と固形分が分離している状態を修正するためには、この方法を数回繰り返すことが効果的です。
クリームによる分離の対処法
クリームよりチョコレートの量が足りない場合は、細かく刻んだチョコレートを追加して、全体のバランスを調整します。
チョコレートをゆっくりとかき混ぜて馴染ませることが重要です。
また、温度差による分離が起きた際には、湯せんをしながら慎重にかき混ぜ続けることが望ましいです。
この方法で、均一なガナッシュに戻すことが期待できます。
油浮きが問題となる場合は、油分を除去した後、少しずつクリームを加えてかき混ぜる作業を繰り返します。
水分の混入による分離の対処法
水分が混入してしまったホワイトチョコレートは元に戻りにくいですが、混入直後であれば、少量のクリームを加えてガナッシュ風にアレンジすることも一つの方法です。
ただし、砂糖と水分が既に反応してしまっている場合は、修復が難しいです。
それでも分離しているときは?
上記の方法でも分離している場合は、ホワイトガトーショコラを作るか、パンに塗って食べるなどするとよいでしょう。
ホワイトガトーショコラを作る
分離したチョコレートにクリームとバターを加え、湯せんで溶かした後、卵を加えて乳化させます。
必ずではありませんが、この方法で成功する可能性が高いです。
油分を取り除いての利用
油分を取り除き、固形部をパンに塗り焼くことで、パリパリの焼きチョコレートとして楽しむこともできます。
これらの方法で分離したホワイトチョコレートも捨てずに再利用することをお試しください。
まとめ
ホワイトチョコレートが分離する主な原因と、それに対する修復方法をまとめます。
- 加熱温度が適切でない(高い)…温度を調節しながらゆっくりとかき混ぜる
- チョコレートに対してクリームが多い、または温度差による分離…チョコレートの量を増やし、油分を取り除いた後、適量のクリームを加えて混ぜ合わせる
- 水分がチョコレートに入った…修復は困難
分離したホワイトチョコがうまく修復できなかった場合は、別のデザートレシピに再利用するとよいでしょう。